教育計画
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協会研修におけるクリニカルラダーについて
引き続き、教育枠組みとしては、日本看護協会が推奨する「ジェネラリストのための標準クリニカルラダー」1)を参考 にしたクリニカルラダーを用います。今後は、平成28年に日本看護協会が看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)を公表したのを受け、当協会でも協会研修におけるクリニカルラダーを再検討する予定です。協会研修におけるクリニカルラダーは、以下の点が特徴です。
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実践段階 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
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その領域における経験年数 | その領域で おおむね1~3年目 |
その領域で おおむね3~5年目 |
その領域で おおむね6年目以上 |
ジェネラリスト及びその領域の認定・専門看護師 |
活動範囲 | 所属部署内 | 所属部署内 | 看護部全体またはそれに該当する部署 | 所属施設内全体 |
指標 | 指導や教育のもとで、基本的な看護を安全に実践できる。指導を受けることにより自己の学習課題を見つけることができる。 | 看護実践の場面において単独で看護を提供できる。チームリーダー的役割や責務を認識し遂行できる。 自己の学習課題に向けた学習活動を展開できる。 | 高度な看護活動を実践でき、かつ他者にモデルを示すことができる。自己の学習活動に積極的に取り組むのみならず、 指導的役割を発揮できる。 | 論理的かつ実践的知識を統合して卓越した看護を実践し、所属を超えてリーダーシップを発揮できる。 自己の学習活動はもとより組織的な教育・研究活動を主体的に実践できる。 |
【引用文献】
1)日本看護協会編:平成17年度版 看護白書,日本看護協会出版会,197-209,2005.
よくある質問(Q&A)
Q. 協会におけるクリニカルラダーを設定するメリットは何ですか?
- A.協会研修におけるクリニカルラダーを設定することにより、県内の看護職者個々が、ご自身の看護実践能力に合わせた必要な研修を選択しやすくなり、受講者のニーズにあった研修を展開することが可能となります。
例)研修のねらいが共有しやすい。グループワーク時課題が共有しやすい。
Q. 施設のクリニカルラダーとなにが違うの?
- A.若干異なります。施設の多くのクリニカルラダーは、もっと細かく具体的に段階設定している事と思います。 それは、施設の理念や特徴、看護職員の構成などに影響を受けているからです。
一方、「協会研修におけるクリニカルラダー」は、4段階と大まかで、レベル設定の内容も抽象的です。これは、多くの看護職に 幅広く使って頂けるようにと配慮されているからです。また、ある領域で経験を積んだ看護師が、新しい専門領域に踏み込んだ時、 その新しい専門領域では、レベルⅠまたはⅡから始まるとお考え下さい。その領域について自分のクリニカルラダーはどのレベルなのかを 自分で見極めて、研修を選択して受講していただければと思います。
例)消化器内科病棟5年目の看護師が、小児科病棟に異動した場合、小児に関する領域のラダーⅠ研修を受講する。
例)10年目の看護師が、初めて医療安全委員になり、医療安全基礎編(ラダーⅠ)の研修を受講する。
平成30年度 協会研修におけるクリニカルラダー段階・領域別研修一覧
領域/段階 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
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全看護職者対象 スタンダード研修 |
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専門性向上研修 |
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看護教育・研究研修 |
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リーダーシップ・ 看護管理研修 |
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トピックス研修 |
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認定看護管理者教育課程 |
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平成30年度 教育計画の特徴
共通看護臨床能力に関するラダー別研修の設定
平成27年度より、看護職者の共通臨床能力である「看護実践能力」「組織的役割遂行能力」「自己教育・研究能力」の3領域中の、「災害看護」「感染予防」「医療安全」「教育」「看護研究」にラダーⅠ~Ⅲの研修を設定しました。今年度も上記研修は、継続して実施します。
受講履歴一覧表の作成
平成27年度に、研修の受講修了証書の発行を原則廃止し、受講履歴を経年的に一目で確認できるように、受講履歴一覧表を作成しました。その表を受講時に持参し、修了要件を満たした場合、修了印を押す方法に変更し、今年も継続して活用します。裏面は共通看護臨床能力である3領域の5つの研修に関して、「ラダー」と「臨床能力」をマトリックスで表現し、各研修のねらいが一目瞭然でわかるようにしました。
※一覧表は、単年度ではなく、継続して使用しますので、なくさないようにしてください。
出前研修
摂食・嚥下障害看護の「患者・利用者の“食べる”を支えましょう」研修を北巨摩合同庁舎等で開催します。内容は協会と同様です。受講しやすい会場を選択できます。
再編研修
今年度は、以下の研修を再編して開催いたします。
- 「看護管理者のための災害マネジメント」研修:2日目を病院勤務者、訪問看護ステーション勤務者、行政勤務者に分かれた研修を開催します。
- 「ひとごとじゃない!慢性腎不全(CKD)」研修:透析看護に関する内容から、を持つ対象者の病期に応じた看護職者の役割について考える内容としました。
- 「覗いてみよう!内視鏡を受ける患者の看護」研修:外来看護に関する内容から、内視鏡を受ける患者の看護に変更します。力を高めるコミュニケーションスキル」の各1日間に分けて開催します。
新規研修
平成28年度教育委員会で実施した「県内看護職者の協会研修受講に関する実態調査」において、開催希望が多い内容を中心に新規研修として企画しました。
- 「周術期をめぐる患者の看護」研修:手術を受ける患者やその家族への看護について理解を深めることをねらいとして、1日間で企画しました。
- 「発達障害の傾向がある人の特徴を理解した支援」研修:発達障害の傾向がある人の特徴を理解した支援を考えるきっかけとなることをねらいとして、1日間で企画しました。
- 「障害福祉施設に勤務する看護職者のための交流会」研修:障害福祉施設には看護職者の配置が少なく、看護職者が一堂に会する機会も少ないことから、障害福祉施設に勤務する看護職者の交流を目的に半日間で企画しました。
- 「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)を活用し、個々の看護師の成長を支援しよう」研修:昨年度「看護師のクリニカルラダー講演会」を開催しましたが、今年度は、JNAラダーの活用、作成をねらいとした研修会を2日間で企画しました。
- 「多死社会に求められる看取りの看護」研修:看護職が行う看取り場面の多様化に伴い、介護施設や在宅において看護職者に期待される役割は大変大きいため、多くの皆様に受講していただきたい研修です。当研修は、オンデマンド研修として、2日間開催します。
休講の研修
以下の研修は今年度より休講します。
- 「明日からできる高齢者介護施設における褥瘡ケアへのひと工夫」研修
- 「チーム力を高めるコミュニケーションスキル」研修
ファーストレベル教育課程の聴講
今年度は、7月~9月にファーストレベル教育課程を開講します。教育課程では、受講希望の単元のみ受講すること(聴講)ができます。聴講可能な単元は、教育計画冊子の33ページおよびホームページを参照。どなたでも受講可能で、最新の知見を得るよい機会ですので、ぜひご活用ください。ただし、受講履歴一覧表への押印はできません。
インターネット配信研修(オンデマンド)
事前に収録した講義をインターネットにて繰り返し受講できる研修です。この研修は「個人向け」と「施設向け」があります。詳細は、日本看護協会ホームページ(http://www.nurse.or.jp/)▶生涯学習支援▶研修▶インターネット配信研修[オンデマンド]でご確認ください。
その他
- タイトルが昨年と同じでも、研修内容は社会や受講者のニーズを反映させて変更しているものもあります。
研修内容の詳細を冊子またはホームページでご確認の上、昨年受講された方も含めて受講をお待ちしています。 - 研修にかかる費用を県委託研修は原則1日あたり2,500円、それ以外の研修は1日あたり3,000円として算出しています。(ただし、インターネット配信研修(オンデマンド)、障害福祉施設に勤務する看護職者のための交流会、訪問看護ステーション・医療機関に勤務する看護師の相互研修、山梨県喀痰吸引等指導者養成講習、山梨県高齢者権利擁護等看護実務者研修会は除く)
- 職能研修、地区支部研修、訪問看護師に関する研修、ナースセンター開催研修等は、受講履歴一覧表への押印はできません。